SSブログ

成果を称え自己効力感を高める [効果的な声かけ]

定期テストの結果が返却される時期です。生徒ごとに結果の善し悪しはさまざま。どのような声かけをするかは塾講師にとってとても重要な課題です。
成果が出た生徒に対しては賞賛の声かけをしますが、より効果的な声かけにするためには「何のために賞賛するのか?」「賞賛することが生徒にどのような影響を与えるのか?」について考える事が重要だと考えています。

【何のために賞賛するのか?】
考えられる目的を列挙してみます
①次のテストに向けた意欲喚起
②成功した行動の強化
③口コミによる営業効果
④他の生徒の行動変化のきっかけ
いくつか、目的が浮かんできますが、一番の目的は「自己効力感を高める事」と考えています。

【自己効力感とは】
・1977年にアルバート・バンデューラ(カナダ人の心理学者)によって提唱される。
・(定義)「予測される状況に対処するために必要とされる一連の行為を、いかにうまくなし得るかについての本人の判断」
・成果を得るプロセスには2つの期待がある。①効力感に対する期待(その行動ができる・できそうという期待)、②成果に対する期待(このような行動をすればこのような結果が得られるという期待)
・成果に対する期待があっても、効力感に対する期待が持てなければ、行動に移せない。
・自己効力感は「行動の選択」や「行動の持続」に影響。
・人を現実の行動に向かわせる直接の引き金になるのが自己効力感
・「一般的自己効力感」の他に「集団効力感」という概念も提唱されている。集団状況では、個人の効力感の単なる可算以上の力が働く事がある。
・「自尊心」や「自信」はその人が持つ安定的な特性・傾向。自己効力感は特定の課題に対処できる自信。

【自己効力感を高めるためには】
自己効力感を高めるためには、4つの要因がある。
①直接の成功体験
困難にチャレンジし、自分でそれを克服できたという体験(反対に、度重なる失敗の体験は「この課題は自分の手には負えない」という自己効力感の低下を招く)。
②代理的体験
成功を伴う他者の行動を観察すること。頭の中でイメージが組み立てられれば、実際の行動も習熟が早くなる。
③言葉による説得
「こうすればできる」という説明や「あなたならできる」という励まし。
④情緒的な喚起
苦手と感じていたり緊張しるような状況や場面で、うまくいったり、平静でいられたという経験。生理的な刺激で高揚感を感じる状況。
※①→②→③→④の順に影響力は弱くなる
※「直接の成功体験」を積み重ねるためにも、小さな成功を積み重ねる「スモールステップの原理」を用いるのが有効。

【実践方針】
・成果を実感している生徒に対してはを次の行動につなげるために、成功要因となる「行動」を賞賛。
・うまくいかなかったところに目が行きがちな生徒に対しては、成果の出ている部分に目を向けさせる=「成功体験を発掘してあげる」(せっかく成功している部分があるのに、自己効力感につなげられない状況はもったいない)。
・代理的体験については、日常の勉強やテスト前の行動変化につなげるために話を出した方が効果的だと感じています。

【参考】

公認モチベーション・マネジャー資格 BASIC TEXT

公認モチベーション・マネジャー資格 BASIC TEXT

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 新曜社
  • 発売日: 2012/10/01
  • メディア: 単行本



人気ブログランキング
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。