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ミネルバ大学が大学を変える [最新教育事例]

最近、「ミネルバ大学」というキーワドを目にする機会が多くなり調べてみました。将来の「学び」「大学」のスタンダードの形式になりうるのではないかという刺激と大きな可能性を感じました。

①ミネルバ大学とは
・2014年9月サンフランシスコに開校。
・米国のトップ校が高額な学費を必要とする一方、必ずしも社会のニーズに適応した人材を輩出できていない事に危機感を抱いた人々が、世界をリードできる人材を育てる目的で創立。
・初年度に98カ国、1万1000人の応募があり、合格率は2.8%(最新の合格率は1.9%)。
・世界7都市のキャンパスを移動しながらまわる全寮制4年生大学。
・創設者ベン・ネルソン(写真共有アプリSnapfish創業者)。
・授業は少人数のセミナー式のオンライン授業。
・現在の学生約150名のうち、約80%が米国籍外の学生(米英のトップ校の学部留学生比率、約10〜15%)。出身国は40カ国以上。

②ミネルバ大学のオンライン授業
・講師のモニターには一人一人の表情、作業の手元がはっきり映り、やる気や理解度が手に取るようにわかる。
・18名ひとクラスの授業は全てオンライン。教授の側が世界各地からコールインする。
・個人の発言時間を自動的に計測。発言量のバランスを見ながら講師がクラス進行をできる。
・自動筆記で即時にテキスト化されるのでフィードバックが早く確実にできる。
・特定の学生が授業についていけていないことをアルゴリズムがキャッチすると教授側にアラート(警告)が発される。
・大掛かりな施設や講堂が不要になるためコストを抑えられる。生活費を含めた学費が3万ドル(アイビーリーグの4分の1)

②ミネルバ大学のカリキュラム
・1年次は日本でいう教養課程のような共通授業を受ける。物事の見方の120パターンの癖を矯正し、4つの学びの基本コンセプト(分析/複雑系/実証分析/修辞学)を学ぶ。
・学部卒業生として求められる能力は、①Thinking Critically(批判的に考える) ②Thinking Creatively(想像豊かに考える) ③Communicating Effectively(円滑なコミュニケーション)という3つのコア・スキルをバランス良く、"流暢に"使いこなせること。
・専攻は2年次に決定。
・2年目、ソウル(韓国)・ハイデラバード(インド)
・3年目、ベルリン(ドイツ)・ブエノスアイレス(アルゼンチン)
・4年目、ロンドン(英国)、台北(台湾)
・滞在する各都市では、その地の企業や団体でのプロジェクト学習、インターンなどが行われ、4つの技能を深く身につける。
・学年末テストの代わりとなるFinal Projectの一例としては「Wikipediaの新サービスを開発する」といった極めて実践的なものもある

③選考方法
・手続き上の基本書類を提出し、IQテストのような独自のオンライン試験、課外活動の提出、成績表の提出(英語)、オンライン面接。
・オンライン面接は口頭の応答だけでなく、エッセーの提出が必要。その場で書く過程を面接官がモニタリング。ノートや辞書は持ち込み不可で、素の自分の記述力が問われる。

「自身の学び」と「実践」「協働」を結びつける場として、最善の環境を整えているミネルバ大学。創設3年でこれだけの評価と注目を集めている事を考えると、今後、同様の形態の大学が増えていくのではないかと感じさせます。大学とは「問題解決のために自身の学びと他者の学びを付き合わせて最適解を紡ぎ出していく場」この機能を果たせない大学は今後淘汰されていくのではないでしょうか。

【参考】
ミネルバ大学 - Future Edu Tokyo
ハーバードより難関、全寮制”ミネルバ大学”がぶち壊すオンライン大学の常識
世界で最も入りにくい大学、「ミネルヴァ」の3つの秘密
世界最難関・ミネルバ大学 初の日本人学生として


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