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機械的反復では長期記憶に残らない [記憶力強化]

「改訂版タキソンミー」における教育目標・評価論に関する一考察という記事に、興味深い内容があったので引用します。

~以下引用(一部要約)~
ノヴァックは,オースベル(D.P.Ausubel)の理論に依拠し,「有意味学習(meaningful leaming)」をめざした実践的研究を進めている。学習内容の長期的な保持と他の場面への転移の両方を実現するような効果的な学習は,機械的な反復練習によって達成されるのではないし,探究活動をしさえすれば成立するものでもない。それは,子どもが自らの既有知識と関連させて,新たに学ぶ知識の意味を構成する有意味学習によってこそ可能になる。つまり,効果的な学習を引き起こすには,内的な知識構造への着目が不可欠だというのである。

ノヴァックは、子どもの内面で生起している概念理解の変化を捉える方法として,「概念地図法(conceptmapping)」という方法を考案(内的に表象されている意味のネットワークを外的に表
現する方法)。

~以上引用~

反復というと、通常以下の流れをイメージすると思います。
「解く→丸付け→(間違えたら)解説確認or質問→理解→解き直し」
しかし、上記の理論だと、この一見正しそうな勉強のやり方で反復しても成果につながらないことを表しています。理解のあとに「自分の頭で既知の内容を組み込んで情報を再構成する事」この作業をしなければ、長期の記憶に残らない。つまり成果につながらないという事です。

ノヴァックは「概念地図法」という方法論を提示していますが、間違えた問題に対しては、最低限「自分が何を知らなかったから間違えたのか?」「この問題のポイントは何か?」という問いに対して、簡単にでもいいので、言語化あるいは図表化して視覚化する事が効果的と言えそうです。

【参考】
「改訂版タキソンミー」における教育目標・評価論に関する一考察


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ARCS動機付けモデル [指導技術]

ARCS動機付けモデルは、生徒の学習意欲を高めるための一つの指針として効果を発揮しそうです。
【ARCS動機付けモデル概要】
アメリカの教育工学者ジョン・M・ケラー(John M. Keller)によって開発された理論。「学習意欲を刺激、持続させるために、授業をどう設計すべきか」という問いに答えることを目的とした理論。
(動機付けの4因子)
1.注意(Attention)「面白そう!!何かありそう!!」
2.関連性(Relevance)「自分に関係がありそう!!」
3.自信(Confidence)「やればできそう!!」
4.満足感(Satisfaction)「やってよかった!!」
・重要なのは、これらを指導の中で段階的に行う必要があるということ。
・満足感はさらなる発展的内容への動機付け。
・満足感はある程度上位レベルの教育目標を達成してから与えないと、探究心を抑制する恐れもある。

【教授方法への具体的な落とし込み】
1.注意
(知覚的喚起)オープニングでひと工夫し注意を引いているか。
(探究心の喚起)エピソード等を混ぜて、教材内容が奥深い事を伝えているか。
(変化性)飽きる前にブレイクをはさんでいるか。
2.関連性
(親しみやすさ)生徒の関心、今までに習ったことと関連付けているか。
(目的指向性)習ったことが何に活かせるのかを提示しているか。
(動機との一致)勉強自体を楽しめる工夫をしているか。
3.自信
(学習要求)ゴールを明示し、どこに向かって努力しているかを意識させているか。
(成功の機会)他人との比較ではなく、過去の自分との比較で進歩を確かめられるようにしているか。
(コントロールの個人化)身につけ方のアドバイスを伝え、それを参考に自分独自のやり方でもいいことを伝えているか。
4.満足感
(自然の結果) 身につけたことを活かすチャンスを与えているか。
(肯定的な結果)褒める言葉や認定証を渡しているか。
(公平さ)えこひいきがなく、約束は守るなどの首尾一貫した態度をとっているか。

「教材内容の奥深さを、生徒の注意を引く形で伝える」「今まで学んだこととの関連性を伝える」。講師自身の追求力が、直接子ども達の動機付けにつながる事を強く感じます。

【参考】
教職課程「教育工学」テキスト
ARCSモデルに学ぶ(1)
ARCS動機づけモデルの応用
ARCS 動機づけモデルを使って学生の学習意欲を高めよう!


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