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橋本武氏の指導に学ぶ [読解力をつけるにはどうすればいい?]

新井紀子氏の「AI vs 教科書が読めない子どもたち」によると、「読解力と偏差値の相関が高い」としつつも、読解力を上げる科学的根拠のある方法論は今の所ないとしています。ただし、新井氏の経験や、佐藤優氏の「国語ゼミ」などを見ると、「熟読」というのが、読解力を上げる一つのキーワードになるのではないかと感じました。

そこで、「銀の匙」を3年間かけて読み込む指導をして有名だった橋本武氏の著作をもとに、読解力を育むヒントを探ってみました。

「銀の匙研究ノート」の勉強法
以下、「伝説の灘教師が教える一生役立つ学ぶ力(P60,61)」から引用
①通読
各章を一通り読んで、読めない字を調べておく。また、そうした字の読み方(発音の仕方)も工夫してみる。

②主題
それぞれの章が、何について書かれているのかを考え、自分で章のタイトルを決めてみる。

③内容の整理
章ごとの内容について、どのようなことがどんな順序で書いてあるかをまとめてみる。

④語句の意味
(研究ノートに)あらかじめ難しい語句の意味や説明が記載されているので、よく覚えておくよう努力する。

⑤注意すべき語句
(研究ノートに)あらかじめ抜き出してある文中に登場する語句について、意味や使い方などを説明してみる。誰でも知っている言葉もあれば、難しい言葉もあるので、自分で調べたり、友達に意見を求めてみたりする。

⑥短文の練習
前項「注意すべき語句」で取り上げた言葉を用いて短文をいくつかつくり、そのうちのひとつを書きとめておく。

⑦鑑賞
文の書き表し方のうまいと思われる部分を書き写す。そして、どんなところに感心させられたのかを考えていみる。

⑧参考
(研究ノートに)あらかじめあげてある、内容と関連するいろいろな事項をよく読み、必要な事は覚えておく。

~以上引用~

語句調べや語句の活用など、一言一句丁寧に読み込むことを推奨している事が伺えます。要約や要旨を掴む事、鑑賞など、読み込んだ上で考える作業、書く作業を重視している事も特徴だと思います。また、ゼロから生徒に考えさせるのではなく、関連事項なども一定提示する事が、より生徒の思考を促すことにつながっているように感じました。

多読を推奨
スローリーディングが印書的な橋本氏ですが、生徒には多読を推奨していたようです。1ヶ月に1冊課題図書を出し、感想文を書く課題も出していたようです。

「考える力をつけるためにゆっくりじっくり1冊の本を読み込み、同時に人の生き方、あり方の幅を知るためになるべく多くの本を読む。この両輪がそろってはじめて「真に国語力を養う読み方」という事になる。」

と述べている事からもわかるように、考える力をつけるためには「熟読」が効果的と考えていた事が伺えます。

国語力のカギとなるのは「書く」こと
以下引用(P81)
なぜ、ここまで「書く」ことにこだわったのか。そのわけは、書く事によって、読むだけではなかなか身に付かない「判断力」「構成力」「集中力」が養われるからです。
以上引用

私の塾で実施している5分間作文でも、生徒はその日に学んだ事から何をテーマにするか判断し、説明するための構成を考え、集中してペンを走らせています。「書く」作業は、理解不十分な点が浮き彫りになります。「読む」と「書く」をセットにする事が理解と正確な読解にとっては最も効果的だと考えています。

今日の学び
・「語句の正確な理解」に力を入れていきます。
・「覚えるべき語句」「関連事項」など、考えるきっかけになる事を事前に絞り込んで提示していきます。
・佐藤氏の「国語ゼミ」の内容も合わせて、「ワークブック」の作成に取り組んでいきます。

参考

伝説の灘校教師が教える一生役立つ学ぶ力

伝説の灘校教師が教える一生役立つ学ぶ力

  • 作者: 橋本 武
  • 出版社/メーカー: 日本実業出版社
  • 発売日: 2012/01/26
  • メディア: 単行本




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