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佐藤優「国語ゼミ」より~教科書を利用した読解力養成~ [読解力をつけるにはどうすればいい?]

佐藤優氏の「国語ゼミ~AI時代を生き抜く集中講義~」から、教科書を利用した読解力養成についての学びです。

佐藤氏は、学びの基本となる力は「読む力」としたうえで、基礎編・応用編・実践編の3つに分けて、読解力養成法と実践問題を提示しています。

①基礎編
教科書を使った「読む力」をつけるための学習法を解説

②応用編
難解な本の読解に挑む

③実践編
市立武蔵高等学校中学校での講義を題材に「読む力」を「論理的思考力」や「判断力」へと発展させる道筋を具体的に提示

「教科書」を利用した「読解力の養成」は即実践にも活かせるのではないかと考え、読んでみました。以下に実践に活用するポイントを整理します。

①教科書を活用した三段階の学習方法
1.「要約と敷衍(ふえん)」
教科書を正確に読み解くために「音読」する。そのうえで教科書の指定箇所を自らの言葉で要約し、敷衍する訓練をする。
※筆者の定義
「要約」文章の中の重要な箇所を抽出してまとめる。
「敷衍」抽象的な概念や文章を、自分の言葉で噛み砕いてわかりやく説明すること。

まず「音読」で知識を定着させ、「要約と敷衍」で定着した事を自らの言葉で説明する。
2.「比較」
教科書の複数の記述を比較して、物事を複眼的に捉える訓練を行う。
3.「能動的読解」
自ら立てたてテーマや問題意識に即して、複数の教科書を能動的に読む訓練を行う。

②ワークブックの作成
佐藤氏は、大学などの講義で受講者に自学自習してもらうために、テキストに準拠した独自のワークブックをつくる事があるそうです。
(例)
【テキスト】もういちど読む山川倫理
【ワークブック】
・古代ギリシアにおけるロゴスについて説明しなさい(100字)*19~20ページ
・古代ギリシアの自然哲学について、代表的哲学者の名を4人あげて簡潔に説明しなさい(200字)*20~21ページ

上記のような記述問題を250問程度つくり、自学自習でといてもらって添削するという方法で、すべて解き終えれば、西洋思想や日本思想に関する基本知識の定着を目指しているそうです。

③比較で意識するのは「相違点」と「共通点」を明確にすること
比較する時のポイント
1.比較とは複数の事象を突き合わせってその異同を考察すること。
2.観点・項目を揃えて比較する

今日の学び
「教科書が読めない子どもたち」で指摘されているとおり、子どもたちの大半が、教科書を読んで理解するという学習が困難な状況だと感じています。噛み砕いて教えてあげるだけでは、生徒の読解力や学力の向上は難しく、いかにして、子どもたちが、自分で「教科書を読み解く力」を身につけさせるかが重要だと考えています。

教科書準拠のワークブック作成は、子ども達の読解力養成につながる可能性を感じました。「説明できるかを確認する問題」「比較できるかを確認する問題」などの問題設定をして、授業ないか、自宅課題として提示してみようと思います。

また、授業アンケートなど、能動的な問題意識を確認する手段はいくつかあるので、ここでキャッチした問題意識も授業に活かしていきます。

参考

国語ゼミ―AI時代を生き抜く集中講義 (NHK出版新書 554)

国語ゼミ―AI時代を生き抜く集中講義 (NHK出版新書 554)

  • 作者: 佐藤 優
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2018/06/07
  • メディア: 新書



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