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使える脳の鍛え方:6章ポイント整理 [勉強の効率化]

引き続き、使える脳の鍛え方から、実践への活用ポイントを整理します

「6章:学び方を越える」ポイント整理
【情報処理の特性によって学び方を変えるべきか?】
・指導法がその好みに合えばよく学べるという説には反対する。
・我々が重視しがちな、例えば言語的または視覚的な学習法の違いは実際には意味を持たない。
・学習法のモデルは膨大で、資料も豊富だが、広く普及しているものに限ってみても、一貫した理論的パターンはない。
・教育で学習法理論の有効性が検証された例は非常に少なく、あったとしても、ほぼ全て有効性を立証できていないか、むしろ完全な反証になっていた。

⇒人間の情報処理のパターンに合わせて学習方法を変える試みは、ぜひ検証を続けて欲しい。ただし、集団塾では情報処理のパターンに合わせた指導をするのは難しいため、情報処理のパターンに囚われずに、誰でも成果が出る指導方法を追求していきたい。

【特性に合わせた指導法より重要な事】
・重要なのは自分と自分の技術をどう評価するか。
・新しい体験の根本にある原則を抽出し、新しい知識をメンタルモデルに組み入れる能力
・学習にとって重要な能力のリストを作れば、言語を自由に操れることと読解力は必ず一番かそれに近いところにくる。

【「知能」とは何か】
・近年の心理学では、人にはそれぞれ二種類の「知能」があるという共通認識がある。「流動性知能」は、論理的に考え、関係を把握し、抽象化し、問題に取り組むあいだ、情報をとどめておく能力。一方、「結晶性知能」は、世界に関して蓄えた知識や、過去の学習や経験で培った手順やメンタルモデルを指す。
・心理学者の「ハワード・ガードナー」は人には8種類の違った知能があるという説を唱えた。
・心理学者の「ロバート・J・スタンバーグ」の知能モデルは、「分析的」「創造的」「実践的」の三つ。スタンバーグの理論は、ガードナーの理論と違って、実証研究に裏付けられている。「分析的知能」は、典型的にはテストのような問題を解決する能力。「創造的知能」は、新しく特異な状況に対処するために、すでにある知識や技術を応用する能力、「実践的知能」は、日々の生活に適応する能力、言い換えれば、特定の環境で必要とされるものを理解して実行する能力。
・標準化されたテストは、継続的な学習過程でつとが実施された時点での「静的」な評価しかできないので、潜在能力を正確に測れない。三つの知能モデルに合わせる形で、スタンバーグとグリゴレンは、静的なテストから「ダイナミックテスト」への転換を提案した。
・ダイナミックテストは、弱点を発見し、改善する事を助ける。
(ステップ1)実体験か、筆記試験で知識や技能の足りない部分を知る。
(ステップ2)省察、間隔練習、その他の効果的な学習法で集中的に能力を高める。
(ステップ3)また自分でテストし、何がうまくなったか、そしてとくに、何の練習が足りないかに注意を払う。

⇒スタンバーグの3つの知能と「ダイナミック・テスト」についてはより詳細を調査したい。「流動性知能」と「結晶性知能」についても合わせて調査する。

【メンタルモデルを作る「構造構築」】
・「構造構築」とは、新しい素材に出会った時にそこから顕著な概念を抽出し、一貫した精神的な枠組みを作る行為。この枠組みは、「メンタルモデル」「メンタルマップ」と呼ばれる事もある。この構築力が高い学習者は、低い学習者より、新しい素材をよく学ぶ事ができる。
・「構築力」の高い学習者は、基礎的な概念や重要な構成要素を見極め、新しい情報を整理して、より大きな構造や既存の知識に加えるか、それとも脇によける技術を発展させる。「構築力」の低い学習者は、大きな構造がなかなか理解できず、どの情報を維持し、どれを捨てるべきかがわからない。
・「構造構築」は、あるものが既存の知識に当てはまるか、能力や特別な意味合いを加えるか、それともわかりにくくしたり負担を増やしたりするだけかといった判断を、意識的または無意識的にするひとつの訓練。
・認知の違いをもたらす「構造構築」についての理解は、まだ初期段階。構築力が低いのは認知メカニズムの不調のせいなのか、あるいは、構築力を自然に身につけられる人もいれば、教えられないとわからない人もいるという事なのか。読者が主要概念に注目しやすくなるように、質問がテキストの中に埋め込まれていると、構築力の低い人の学習効果も、構築力が高い学習者と同等のレベルまで引き上がる事がわかっている。
・何がうまくいき、何がうまくいかなかったかを振り返り、次はどんな別のやり方を試してみるかといったことを考えれば、主要な概念を特定してメンタルモデルを作り、学んだ事を将来改善して応用する役に立つ。

⇒「構築力」が低い学習者を引き上げるためにはどうすればいいか?を具体的に検討し実践していく。「構築力」が高い生徒が、どのようにして「構築力」を身につけたのかを探る事も、「構築力」を高めるヒントになりそう。また、「構造構築」を意識的に行う事も「構築力」を鍛える事につながりそうなので、振り返り(省察)の時間の指示に活かしていきたい。まだ、明確ではないが、講師の構築力が高ければ、それを真似する形で生徒の構築力も磨かれるのではないかと考える。

【「規則学習」とは何か?】
・認知に関わるもうひとつ重要な事は「規則学習者」か「先例学習者」かということ。「規則学習者」は、根底にある原則や学んでいる事物を区別するための「規則」をみつけようとする。一方、「先例学習者」は、原則より過去の例を憶えている。見慣れない問題に出会うと、分類や解答に必要な規則を持ち出せないので、たとえ新しい問題ととくに関連がなかったとしても、思い出せるなかでもっとも近い例から答えを導き出す。
・「先例学習者」も、一度に一つの例ではなく、二つの異なる例を比較するように指示されると、原則を抽出する力が向上する可能性はある。
・構築力の低い学習者や先例学習者より、構築力の高い学習者や規則学習者の方が学んだ事を新しい状況に当てはめる能力に優れていることはわかっている。
・構築力の高い学習者と規則学習者の傾向に相関があるかどうかの問に答えられる研究はまだ行われていない。
・個々の原則を理解し、個々のパーツの集合以上の構造にまとめることができなければ、「知識」は「ノウハウ」にはならない。ノウハウは「実行」を可能にする学習。
・構築力の低い学習者や先例学習者が新しいことを学ぶときには、定期的に立ち止まり、主要な概念は何か、規則は何かと考える。それぞれの概念を言葉で表してみて、関連するポイントを思いだし、どれが重要なアイデアで、どれが補足的なアイデアや意味付かを見極める。

⇒生徒を「規則学習者」にするか「先例学習者」にするかは指導者の指導内容の影響が大きいように感じます。「方程式と文字式の計算の違い」など、二つの事例の比較と規則の言語化を、指導内容に組み込んでいきたいと思います。

参考

使える脳の鍛え方 成功する学習の科学

使える脳の鍛え方 成功する学習の科学

  • 作者: ピーター・ブラウン
  • 出版社/メーカー: エヌティティ出版
  • 発売日: 2016/04/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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