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セッション2.肯定的な注目を与える(ぺアレント・トレーニング) [効果的な声かけ]

ペアレント・トレーニング第2回のテーマは「肯定的な注目を与える」です。

①肯定的な注目の種類
1.褒める
「もう宿題始めたの?えらいね」
2.励ます
「あともう少しだよ、がんばれ!」
3.その行動に気が付いていることを知らせる
「宿題始めたんだね」「ゴミ拾ってくれたんだね」
4.微笑む
同時にVサインやOKサインなどを示してもよい
5.感謝する
「お皿運んでくれてありがとう」
6.興味や関心を示す
「難しい問題だね」「今授業ではどんな事をやってるの?」
7.そっと身体に触る
そっと頭を撫でる、肩に手を置く、ハイタッチ等
8.次の活動に誘う
お菓子を買ってと駄々をこねる子どもがブツブツ言いながらも諦める⇒「カートを押してくれる?」「おうちに帰ったらジュース飲もうね」
※今していた好ましくない行動を、お父さん(お母さん)が全く気にしていないこと、水に流していることを示す

②ほめ方のコツ
1.「25パーセントルール」
パーフェクトを待っていては、なかなか褒める機会が見つからないので、「25%ぐらいできたら褒める」
・課題を思い出したら褒める
・やり始めたら褒める
・やっている最中に何度か褒める
・終わったら褒める

2.姿勢・からだ・表情・声の調子
褒めるときは子どもの目線に自分の高さを下げ、視線を合わせて声をかける。遠くから声をかけるのではなく、子どもに近づいて声をかける。明るい表情・穏やかな表情で、穏やかで温かみのある声、明るい声で。

3.ことば
メッセージはシンプルに、短く、簡潔明瞭に、皮肉・批判は避ける(「昨日もそうすればよかったのにね」など)。褒め言葉の前に、枕詞のように行動を付け加える事を意識する。
※漠然と「いい子ね」「えらいね」という声かけだけでは、「自分はいい子なんだ」「えらいんだ」と不当な万能感を抱く場合がある。さらに、「いいこじゃないとダメ」「えらくない自分は価値がない」と考える事さえ起ってくる可能性もあるので注意が必要。

4.効果的に褒める(子どもの性格や感じ方、年齢に応じた褒め)
子どもによっては人前で大げさに褒められるのが好きな子もいれば、そっと褒められたい子もいる。子どもが「褒めらている」と感じることが重要。また、あまりにも当たり前のことは、褒められても素直にうれしいとは感じない場合がある。子どもにとって、今褒められたいこと、認められたいことは何なのかを注意深く観察し、見つけ出していく事が必要。

③セッション2の宿題
「好ましい行動」が出たらすかさずほめる練習をし、それらを記録する。

今日段階では、「好ましい行動」を事前に列挙していたことと、「25%ルール」を意識した事で、普段よりも褒める機会は多くなりました。子どもが嬉しそうな表情をしている事も多く、姿勢を正して食事を食べるなど、自然に好ましい行動をする場面もみられました。ただし、「好ましくない行動」をとる場面が多いので、現状はどうしても叱ってしまう事が多いです。継続して変化を見ていくのと、「好ましくない行動」をとった時の対応方法も学んでいきます。

④スペシャルタイム
「スペシャルタイム」とは、保護者と二人きりで、子供が好きなことをして遊べる時間のこと。スペシャルタイムの間、遊びの主導権は子どもにあり、保護者は需要的に、非指示的に子どもに関わる。スペシャルタイムは15~20分間が適当で、事前に子供に伝え、親子で時間を決める。

⑤今日の学びと気づき
「25%ルール」という認識は褒める機会を創出するためには非常に効果的だと感じました。「その行動に気付いている事を知らせる」「微笑む」「興味関心を示す」なども、褒めのバリエーションの一つと認識する事も褒めのハードルを下げ、褒めの機会を増やすことにつながると思いました。「褒め=肯定的な注目」という認識は、ADHDの子どもにとってだけでなく、全ての生徒への対応にとっても重要だと感じ、実践していこうと思いました。

参考

こうすればうまくいく発達障害のペアレント・トレーニング実践マニュアル

こうすればうまくいく発達障害のペアレント・トレーニング実践マニュアル

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 中央法規出版
  • 発売日: 2009/04/01
  • メディア: 単行本



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セッション1.行動を3種類に分ける(ペアレント・トレーニング) [効果的な声かけ]

ペアレント・トレーニング第1回のテーマは「行動を3種類に分ける」です。

①「注目」の持つパワー
注目には肯定的注目と否定的注目の2種類があり、ピアレント・トレーニングの基底になっているのは肯定的注目を最大限活用すること。肯定的注目は親子間のスムーズな関係をつくるだけでなく、注目され、ほめられる事で、子供は初めて自信を持つ。自分への自信はたくましく立ち直る力を育てる。

好ましい行動をしている時には注目を向けずに、好ましくない行動をしている時には「否定的な注目」を即座に与えている事が圧倒的に多いが、否定的な注目ばかりを与えていると、子供の行動が修正されないばかりか、親子関係が悪くなってしまうという悪循環が起こる。さらに、どうしたら褒められるかわからない子どもは、時として叱られてでも親の注目を得ようとわざと怒られるようなことをしてしまうため、親の叱るといった否定的な注目が、子どもの好ましくない行動を強めている(強化している)といった事が起こってくる。

注目のパワーを利用し、子供が好ましい行動をしている時に肯定的な注目を与え続けることで、子どもの好ましい行動を増やし、好ましくない行動からは注目を取り去る事で不適切な行動を減らしていくことができる。

②行動を3種類に分ける
肯定的注目とは、「褒める」「認める」「笑顔で返す」「興味・関心を示す」「ありがとう・うれしいと言う」など。何を・いつ・どう褒めるかを迷わないために、行動を3種類に分けるという基本となる作業をする。

※行動とは「目に見えるもの」「聞こえるもの」「数えられるもの」で「~しない」という表現ではなく「~する」で表現できる動詞による内容を指す。

1.好ましい・増やしたい行動
こうしてほしい行動ではなく、子供が現在できていて、続けてほしい、増やしたいと思う好ましい行動。
2.好ましくない・減らしたい行動
子どもが今していて、危険ではないが好ましくない行動。
3.危険な行動・許しがたい行動
自他を傷つける行動、破壊的な行動、危険な行動、危険ではないが許しがたい行動、あまりにもしつこい行動。

③セッション1の宿題「子どもの行動を3種類に分ける」
書籍の参考事例ももとにしながら、わたしの息子の場合を事例に整理してみます
(好ましい行動)
・何も言われなくても、自分から起きる
・何も言われなくても、自分から着替える
・何も言われなくても、歯を磨く
・朝ご飯を全部食べる
・「ごちそうさま」を言う
・食器をすぐに片付ける
・決められた時間に家を出る
・離席せずに授業を受ける
・授業のノートを書く
・学校から帰ってすぐに宿題をやる
・学校での出来事を話す
・学校で配られたプリントを自分から見せる
・決められた時間に布団に入る

(好ましくない行動)
・起きてからも毛布にくるまってグズグズする
・朝ご飯を残ず
・宿題が終わっていないのに、終わったと言う
・決められた時間になってもゲームを続ける
・脱いだ洋服を置きっぱなしにする
・勉強をする時間になってもゴロゴロする

(危険な行動・許しがたい行動)
・弟を殴る・ひっかくなど傷つける

④ポイント整理と気づき
現状、否定的な注目を与えている場面が多く、肯定的な注目に切り替えていくためにも、子どもを観察し、好ましい行動をできる限り多く見つけている事が重要だと考えいます。
「勉強しない」「食器を片付けない」「朝起きない」など「~しない」という表現も「行動」ととらえていましたが、「~しない」という表現はせずに、「~しないで何をしているのか?」と考える事で、「~する」という表現に置き換える事ができる事は、些細なようですが、行動変化のために重要な認識だと感じました。

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集団塾間の競争で勝つために~対面会議からネット会議へ~ [リーダーシップ]

大手学習塾の集団統合で問題となるのは、100前後の教室があり、教室ごとにサービスレベルや人材育成に差ができてしまう事です。

多くの塾が10前後の教室を一つのブロック(エリア)に分け、ブロック長を配置してサービスラインの維持や人材育成に取り組んでいると思います。しかし、この仕組みだと成果を出している人ほど現場(教室)を離れる事が多くなってしまいます。

また、1教室当たり3人~5人の少人数での運営になるので、スタッフ間で意見が食い違った際、顧客目線の本来実践すべき課題や追及よりも、スタッフ間の人間関係の維持が最優先となりがちです。

サービスレベルの上昇や人材育成の面で見たときに、少人数の蛸壺化状態を脱し、社内のネット会議室中心の会議運営に切り替える事が鍵になると考えています。

①少人数での対面会議の問題点
1.人間関係の維持に引きずられ、劣化しやすい
(対面会議中心の場合)
顧客目線の真っ当な指摘であっても、伝え方に気を配らなければ受け入れられず捨象される可能性が高くなります。人数が多ければ、指摘を受けている時の反応など、第三者からの客観的な指摘を重ねる事ができますが、少人数では個人の価値観や好き嫌いが優先される、スタッフの成長スピードも遅くなりがちです。
(ネット会議に切り替えた場合)
教室の課題点やスタッフの課題点も含め、極力すべてをネットに発信する環境が整うことで、育成課題を全スタッフが担う事ができます。また、他教室の先生からの複数のフィードバックを受ける事が可能になり、成長スピードが加速していきます。

2.答えが出せずに劣化した方針に収束する
(対面会議の場合)
会議では、ある課題に対し、なんらかの方針が共有されます。例えば「生徒募集」の課題の場合、少子化や他塾との競争激化の影響で、募集活動に苦労する教室や塾が多くなっていると思います。この状況をどう打破するかは、本来、市場分析や成功事例の分析などをもとに追及し方針を出す必要がありますが、会議に参加する成員の能力や課題意識によっては、単なる思いつきが方針になってしまう事もあり、成果につながらない業務が増えていく危険性があります。
(ネット会議に切り替えた場合)
未明度の高い課題であっても、ぶら下がり意識の高い成員によって場が重くなることがありません。答えを出せる成員中心に議論を活性化させる事ができます。追及過程も言語化された形で残っているため、全成員が納得度と理解度が高い状態で決定方針に向かえる可能性が高くなります。

②ネット会議のメリット
1.統合者の会議負担の軽減
ネット上で追及課題が共有されるため、今までブロックやエリアを統合していた講師の会議負担が減少し、教室運営や生徒対応の余力を生み出せるようになります。

2.答えを出せる・成果を出せるまっとうな序列体制
会議発言がネット上でオープンになる事で、各成員の能力が、皆に鮮明に見える形になります。課題に答えを出せるかどうか?成果を出せるかどうか?が鮮明に見える形になるので、教室長・ブロック長などのヒエラルキーがより実態の能力にあった形に再編成される可能性が高まります。

③ネット会議中心に切り替えたときの課題点
1.会議室投稿と読了が業務を圧迫し、授業準備や生徒接触・保護者接触に支障をきたす
全スタッフにとって会議室投稿が主業務であるという認識と、生徒・保護者対応の時間と切り分けるルール作りが必要だと考えています。

2.会議室投稿と教室運営の実態がずれる(誤魔化し投稿)
会議室での文章と実態がずれる可能性があります。ただし、実態とのずれは教室の成員の誰かが違和感
を感じる可能性が高く、他教室のスタッフと話をする機会などを通じて、ほとんどの問題は浮き彫りになってくるというのが今のところの実感です。

ネット会議室を活性化するためには、「全てをネット」にという明確な方向性の提示と、その方が方針の具体化や人材育成のスピードが速くなるという実感と実態を伴う事が重要です。

多くの会社がネット会議室の設置は当たり前になっていると思いますが、ネット会議室の積極的な活用と活性化が今後の集団塾間の勝敗を分ける一つの要素になるのではないかと考えています。


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ペアレント・トレーニングに学ぶ声かけ [効果的な声かけ]

ADHD(注意欠陥・多動症/注意欠陥・多動性障害)の子どもの問題行動を改善・修正する手段として、「行動療法」があります。「行動療法」とは社会的な善悪を理解してもらい、ただしい行動ができるように導いていくポピュラーな治療法です。子どもが不適当な行動をしたときには、その都度どうすればよいのかを教え、正しい行動をしたときや物事を成し遂げた時には、精一杯褒めて評価するといった形で、行動の改善・修正を図っていきます。

ADHDの子どもとの関わり方を知る方法として「ピアレント・トレーニング」があります。ピアレント・トレーニング・プログラムの基本理論と枠組みは、マサチューセッツ工科大学のバークレー博士の研究と、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のフランク博士の指導のもと、1983年からペアレントトレーニングを実施しているウィッタム女史のプログラムを参考にして国立精神・神経センター精神保健研究所児童・思春期精神保健部のチームによって作成されたプログラム。

このプログラムは、子どもの行動を直すためのものというよりは、親と子どもにわかりやすい具体的で効果的な対応を身につけることで、悪循環を断ち、親と子がともに自己有能感や自尊心を取り戻し、日常生活がより穏やかにおくれるよう親をサポートするためのもの。このプログラムで学ぶ具体的な対応の仕方は子育ての基本でもあり、子どもと大人が効果的なコミュニケーションで信頼関係をつくるための有効な方法でもある。

基本プログラムは10回のセッションから構成されている
①オリエンテーション(子どもの行動を3つに分けてみよう)
②肯定的な注目を与えよう・ほめ方のコツ・スペシャルタイム
③好ましくない行動を減らす①(上手な無視の仕方)
④好ましくない行動を減らす②(無視とほめるの組み合わせ)
⑤子どもの協力を増やす方法①(効果的な指示の出し方①)
⑥子どもの協力を増やす方法②(効果的な指示の出し方②)
⑦子どもの協力を増やす方法③(よりよい行動のためのチャート)
⑧制限を設ける(警告とペナルティーの与え方)
⑨学校・園との連携
⑩これまでのふりかえり

通常、幼児~10歳ぐらいの子どもを持つ保護者対象に5~8人ぐらいで実施するトレーニング。
私の息子(現在小5)もADHDと診断されており、学校と連携をとりながら行動改善に取り組んでいるところです。

今回参考にしている本は、上林靖子氏監修の「発達障害のペアレント・トレーニング実践マニュアル」です。ピアレント・トレーニングを運営する運営者側(リーダー)のための本ではありますが、授業同様、運営者側が最も効果的に技能を習得できると考え、この本をベースに効果的な声かけの技術を学んでいく予定です。

セクションごとに理論と効果的な声かけを身につけ、子どもの変化を報告していく予定です。

参考

こうすればうまくいく発達障害のペアレント・トレーニング実践マニュアル

こうすればうまくいく発達障害のペアレント・トレーニング実践マニュアル

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 中央法規出版
  • 発売日: 2009/04/01
  • メディア: 単行本



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