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「使える脳の鍛え方」3章ポイント整理 [勉強の効率化]

引き続き、使える脳の鍛え方より、実践に活かせるポイントを整理します。

「3章:練習を組み合わせる」ポイント整理
・集中練習はできるようになった気がするがすぐに忘れる。

・間隔を開けて行い、間に他の練習を挟んだほうがずっと効果的。

・新しく学んだことを長期記憶に残すためには「統合」というプロセスを経なければならない。
※「統合」とは
記憶痕跡(学習時に活動した特定のニューロン集団に残る物理的痕跡)を強化し、意味を与え、すでに知っている事に関連付けるプロセス。

・少し忘れてから思い出そうと努力することで統合が促され、記憶がさらに強化される。

・集中練習よりも交互練習の方が習熟と長期記憶の維持に役立つ。

・種類の異なる練習をすると、脳の違う部分が活性化する。集中練習より難しい多様練習で学んだ運動技術は、脳のより高度な運動技術の習得にかかわる部分で統合される。

・集中練習に比べて、間隔練習や多様練習が明らかに有益なのは、コンテクストを判断し、問題を見分け、数ある可能性の中から正しい解決策を選び、応用する方法が学べるから。

・集中練習や同種類の問題の繰り返しばかりしていると、種類を見分けるという重要なプロセスの練習ができない。

・交互練習や多様練習をすると、「判別力」がつく。

・想起と認識には、「概念的知識」よりもレベルが低いと考えられている事実的知識が必要。

・繰り返し想起する練習は長期記憶の維持に不可欠

・経験から学ぶ方法の一つが「省察」。

・間隔練習・交互練習・多様練習は習得の実感がなかなかわかず、練習中にやる気と努力を高めるほどの成果があがらない。

学びの活用
・中3理科のカリキュラムは集中練習中心だが、過去問演習中心のほうが「間隔練習」「交互練習」「多様練習」の効果が得られるか?ただし、単元別テストの成果では明らかに「集中練習」の方が効果が高いので、一部集中練習も組み込んでバランスを取るか?

・現在5分間作文は、何をテーマに書くかを生徒に委ねているが、多くの生徒が最後の授業内容について記述している。少し忘れかけた頃の方が(間隔を開けたほうが)「想起」の価値が高いのであれば、最初の授業について記述させた方が効果的か?

・小テストをより効果的に活用したい。前回授業、2週間前~1ヶ月前の内容を組み合わせる事で、「間隔練習」と「多様練習」を兼ねた形になるか?

・数学の勉強は、同じ問題の解き直し→反復と、類題演習のどちらが効果的かを見極めたい。

・5分間作文で間違った内容を記述する生徒がいるが、修正のフィードバックを加える時間がない。どうする?

・現在生徒の「省察」の機会として、「小テスト後の振り返り」「授業後の5分間作文」「毎週土曜日の振り返り」の機会があるが、毎週土曜日の振り返りとして最も適切な時間の使い方を検討する。


使える脳の鍛え方 成功する学習の科学

使える脳の鍛え方 成功する学習の科学

  • 作者: ピーター・ブラウン
  • 出版社/メーカー: エヌティティ出版
  • 発売日: 2016/04/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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「使える脳の鍛え方」2章ポイント整理 [勉強の効率化]

「使える脳の鍛え方」より、実践に活用できるポイントを整理します。

2章「学ぶために思い出す」ポイント整理
・直後の想起トレーニングが成果につながる。

・「省察」が成果につながる
※省察とは、記憶から知識と過去の経験を引き出し、それを新しい経験と結びつけ、次に試す違ったやり方を可視化し、頭の中でリハーサルする事。

・実践する内容を何度も振り返っていないと、反射的に行動には移せない

・「想起」とは記憶の結び目。早期を繰り返すことで記憶を呼び出し、つなぎ止める輪が作られる。

・アリストテレス「繰り返し一つの事を思い出す練習をすれば、記憶が強化される」。フランシスベーコン。ウィリアムジェイムズも同様の言葉を残している。

・もとの学習教材を見直すより、過去に学んだ事を記憶から呼び出す想起練習をするほうがはるかに記憶が定着しやすい。

・繰り返し想起すれば、知識と技術が記憶に深く根付き、反射的に呼び出せるモノになって、考える前に脳が反応する。

・教材から顔をあげて内容をひとりで暗唱する時間を作ったグループ(60%を暗唱に使った生徒)が3・4時間後のテストで最も成果が出た。

・その日の復習テストを受けるだけで、1週間後の成績が11%改善(簡単なクイズでもよい)

・想起練習は1回よりも複数回行う方が高い効果が得られ、テストの間隔をあけるとさらによい。

・想起練習と精緻化にテクノロジーは関係ない

・テストだけの場合よりも、フィードバックを与える方が記憶を定着させやすい(すぐにフィードバックを与えるより、少し遅れてから与える方が記憶が長続きする)

・テスト後に修正のフィードバックを与えることで、学生は間違えて覚えたままにならず、正解をより確実に学べる

実践への活用と検討事項
・その日のうちの小テストや、クイズを組み込む事が効果的か?実施時間の確保ができるか?
・テスト後のフィードバックが効果的なのであれば、小テスト後の解説は省略しないほうがいいか?
・「想起反復」が思考スピードを上げる事につながりそう。単発の想起は小テストや5分間作文で可能だが、「想起反復」をいかに仕組み化、徹底できるか?
・過去に学んだ事と、新しく学んだことを結びつける「精緻化」はどのようにして生徒の思考に組み込めるか?5分間作文で提案するか?授業で過去に習ったこととの関係を提示する事は必須か?
・現在塾内で使っている「振り返り」という言葉を「省察」という言葉に変えたほうがいいか?


使える脳の鍛え方 成功する学習の科学

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  • 作者: ピーター・ブラウン
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誰でも成績が上がる勉強法 [誰でも成績が上がる勉強法]

勉強で成果を出すためには正しい勉強法を実践する事が不可欠です。私の教室では、正しい勉強法を徹底し、大手学習塾の中で模試教室順位(平均点)1位などの成果を出しています。現段階で生徒が実践している勉強法を提示します。

【誰でも成績が上がる勉強法】
①問題を解く(数学の場合は途中式を書く)
②すぐに丸つけをする(すぐに丸つけをしない勉強は学習効果マイナス)
③解説を見る
④質問をする
⑤理解する
※雑な勉強法だと②のあとに反復する生徒がいますが当然学習効果はゼロです
※一般的には⑤の後に反復に移りますが、これも学習効果ゼロです
⑥自分の言葉で「ポイント」「ミスの原因」をメモ(強調して残す)
⑦「何?」「何で?」を問題化してメモ(理科の場合)
⑧反復
※適切な反復のタイミングは1時間後・3時間後・1日後・3日後・1週間後・2週間後・1ヶ月後・3ヶ月後・6ヶ月後・1年後
※特に1時間後・3時間後・1日後・3日後に反復を挟めるかが重要。適切なタイミングで反復できなければ学習効果ゼロ
※反復のやり方は「もう一度解く」「説明できるか確認する」「強調したポイントを見る」の3通り。右に行くほど時間はかかからないが効果は薄い。ただし、1時間後の反復などはポイントを見るだけでも十分効果的。間違いが多い単元は、時間はかかるが「もう一度解く」が効果的。

【塾の役割】
①適切なタイミングで、生徒が自動的に反復できる仕組みを整える事
・授業後の復習タイムを設ける
・小テストを適切なタイミングで実施する
②「生徒が自分で説明できるようになる」お手本
・「わかりやすい授業」は「生徒が理解するため」と考えると、生徒の成績は上がりません。逆にわかったつもりにさせて成績を上げる弊害にもなってしまいます。「わかりやすい授業」の目的は、生徒が真似をして「説明できるようにする事」。先生の説明は「模範演技」と認識し、生徒が真似をして説明できる事をゴールにする必要があります。

正しい勉強のやり方をしなければ成績はあがりません。実感としては正しい勉強のやり方をしている小中学生は1%もいないのでしょうか。だからこそ、正しいやり方を身につければ、絶対に成績が上がります。

また、正しいやり方を身につけさせなければ、学習効果はゼロ。つまり、やってもやらなくても一緒。せっかくお金と時間をかけて、部活もやりながら大変な思いをして塾に来ているのに、学習効果がゼロの勉強をさせるわけにはいきません。やるからには正しいやり方を実践させる。これも塾の大きな役割だと思います。

引き続き、より効果的な勉強法、指導方法を探求していきます。


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書籍紹介「使える脳の鍛え方」 [勉強の効率化]

「使える脳の鍛え方」より、効果的な学習方法のヒントを整理します。

「使える脳の鍛え方」は、ローディンガーを主任研究委員とする11名が共同で研究し、認知心理学を教育科学に取り入れようとした成果の多くが反映されている。より効果的に学び、より長く記憶しておくために、自分ですぐに始めれれる事が紹介されている。

「使える脳の鍛え方」の提言
①学習はつらい方が定着しやすい
②本当に学べているかどうか判断するのは難しい
③「テキストの再読」と「集中練習」は極めて非効率
④「想起練習」が「テキストの再読」よりも効果的学習法
⑤学習の感覚をあけて、少し忘れかけた頃か、ほかの科目をいくつかはさんだあとにする
⑥答えを教えられる前に問題を解こうと努力する
⑦自分の好みに合うスタイルのほうがよく学べると思われがちだが、実証研究による裏付けはない
⑧問題の種類を区別する基本原則や法則を導き出すことに慣れれば、なじみのない状況でもうまく正解をみつけられる
⑨人は知っている、できるという錯覚に陥りやすい
⑩新しいことを学習するには、土台となる予備知識が必要
⑪新しい知識を「より大きなコンテクスト」に当てはめることで、学習効果が高まる
⑫新しい題材から重要なアイディアを読み取り、「メンタルモデル」にして既存の知識と関連付ければ、複雑なことを学びやすい
⑬何か新しいことを学ぶたびに、その人の脳には変化が起きている

問題意識と疑問点
現在の問題意識は、集団授業の中で1問1問の制限時間をどうするか。集団内で問題を解くスピードに差があるが、どのタイミングで区切るのが適切かを検討中。できれば一番解くのが早い生徒に合わせたいが、答えを出すための思考時間の価値が高いのであれば、制限時間を長めに設定する必要がありそう。

「関連付け」というのが学習効果を高めるためには効果的だと思うが、具体的にどのようなやり方を提示すれば、生徒はスムーズに関連付の作業を行うことができるか。

現在、子ども達に提示している復習のタイミングは、1時間後・3時間後・1週間後・2週間後・1ヶ月後・3ヶ月後・半年後・1年後。より効果的な復習のタイミングと復習の方法を学びたい

参考

使える脳の鍛え方 成功する学習の科学

使える脳の鍛え方 成功する学習の科学

  • 作者: ピーター・ブラウン
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読解力の育成は感化からはじまる [読解力をつけるにはどうすればいい?]

橋本武氏の「銀の匙」授業と、佐藤優氏の「国語ゼミ」から、読解力を育成するキーワードとして「感化」という言葉が浮かんできます。

橋本武氏の「銀の匙」授業
中勘助の「銀の匙」を3年間かけて読み解くという橋本氏の授業ですが、その授業は「銀の匙研究ノート」という副教材プリントを使用して展開されたそうです。

「銀の匙研究ノート」は橋本氏自身が1年間かけて研究した「銀の匙教材研究」をもとに、橋本氏自身のノート作りの過程を子どもたちにも追体験させる狙いで作成したそうです。自身の思考錯誤ぶりが子どもたちにも伝わればいいという考えがあったそうです。

橋本氏は、「教師の仕事というのは自分の人間性を生徒にぶつけることだ」と述べており、教師が自分自身を磨いていれば、その姿は必ず子ども達の胸に届くとも言っています。

佐藤優「国語ゼミ」より
佐藤氏は「国語ゼミ」の中で、「読書の道は「感化」から」という章を設け、自らの読書体験に影響を与えた人物を紹介しています。そして、「本質的な「読む力」を身につけるうえでは、具体的な人間関係のなかで誰かの影響を受ける事が決定的に重要」としています。

今日の学び
生徒の読解力を育成するためには、まず講師が学ぶ事。講師の思考過程を追体験させる事。生徒の読解力・成績を上げるためには、どれだけ講師が学んでいるかに規定されると考えるべきだと思います。

教科書と入試問題をベースに学問的追求を進め、思考過程を追体験させる仕組みを検討していきます。

参考

伝説の灘校教師が教える一生役立つ学ぶ力

伝説の灘校教師が教える一生役立つ学ぶ力

  • 作者: 橋本 武
  • 出版社/メーカー: 日本実業出版社
  • 発売日: 2012/01/26
  • メディア: 単行本



国語ゼミ―AI時代を生き抜く集中講義 (NHK出版新書 554)

国語ゼミ―AI時代を生き抜く集中講義 (NHK出版新書 554)

  • 作者: 佐藤 優
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2018/06/07
  • メディア: 新書



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橋本武氏の指導に学ぶ [読解力をつけるにはどうすればいい?]

新井紀子氏の「AI vs 教科書が読めない子どもたち」によると、「読解力と偏差値の相関が高い」としつつも、読解力を上げる科学的根拠のある方法論は今の所ないとしています。ただし、新井氏の経験や、佐藤優氏の「国語ゼミ」などを見ると、「熟読」というのが、読解力を上げる一つのキーワードになるのではないかと感じました。

そこで、「銀の匙」を3年間かけて読み込む指導をして有名だった橋本武氏の著作をもとに、読解力を育むヒントを探ってみました。

「銀の匙研究ノート」の勉強法
以下、「伝説の灘教師が教える一生役立つ学ぶ力(P60,61)」から引用
①通読
各章を一通り読んで、読めない字を調べておく。また、そうした字の読み方(発音の仕方)も工夫してみる。

②主題
それぞれの章が、何について書かれているのかを考え、自分で章のタイトルを決めてみる。

③内容の整理
章ごとの内容について、どのようなことがどんな順序で書いてあるかをまとめてみる。

④語句の意味
(研究ノートに)あらかじめ難しい語句の意味や説明が記載されているので、よく覚えておくよう努力する。

⑤注意すべき語句
(研究ノートに)あらかじめ抜き出してある文中に登場する語句について、意味や使い方などを説明してみる。誰でも知っている言葉もあれば、難しい言葉もあるので、自分で調べたり、友達に意見を求めてみたりする。

⑥短文の練習
前項「注意すべき語句」で取り上げた言葉を用いて短文をいくつかつくり、そのうちのひとつを書きとめておく。

⑦鑑賞
文の書き表し方のうまいと思われる部分を書き写す。そして、どんなところに感心させられたのかを考えていみる。

⑧参考
(研究ノートに)あらかじめあげてある、内容と関連するいろいろな事項をよく読み、必要な事は覚えておく。

~以上引用~

語句調べや語句の活用など、一言一句丁寧に読み込むことを推奨している事が伺えます。要約や要旨を掴む事、鑑賞など、読み込んだ上で考える作業、書く作業を重視している事も特徴だと思います。また、ゼロから生徒に考えさせるのではなく、関連事項なども一定提示する事が、より生徒の思考を促すことにつながっているように感じました。

多読を推奨
スローリーディングが印書的な橋本氏ですが、生徒には多読を推奨していたようです。1ヶ月に1冊課題図書を出し、感想文を書く課題も出していたようです。

「考える力をつけるためにゆっくりじっくり1冊の本を読み込み、同時に人の生き方、あり方の幅を知るためになるべく多くの本を読む。この両輪がそろってはじめて「真に国語力を養う読み方」という事になる。」

と述べている事からもわかるように、考える力をつけるためには「熟読」が効果的と考えていた事が伺えます。

国語力のカギとなるのは「書く」こと
以下引用(P81)
なぜ、ここまで「書く」ことにこだわったのか。そのわけは、書く事によって、読むだけではなかなか身に付かない「判断力」「構成力」「集中力」が養われるからです。
以上引用

私の塾で実施している5分間作文でも、生徒はその日に学んだ事から何をテーマにするか判断し、説明するための構成を考え、集中してペンを走らせています。「書く」作業は、理解不十分な点が浮き彫りになります。「読む」と「書く」をセットにする事が理解と正確な読解にとっては最も効果的だと考えています。

今日の学び
・「語句の正確な理解」に力を入れていきます。
・「覚えるべき語句」「関連事項」など、考えるきっかけになる事を事前に絞り込んで提示していきます。
・佐藤氏の「国語ゼミ」の内容も合わせて、「ワークブック」の作成に取り組んでいきます。

参考

伝説の灘校教師が教える一生役立つ学ぶ力

伝説の灘校教師が教える一生役立つ学ぶ力

  • 作者: 橋本 武
  • 出版社/メーカー: 日本実業出版社
  • 発売日: 2012/01/26
  • メディア: 単行本




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簡単生姜焼き [簡単料理]

我が家の定番になりつつある、簡単生姜焼きです

材料(2~3人前)
豚肉300g
生姜チューブ(4cm)
酒(大2)
醤油(大1)
みりん(大1)
砂糖(小1)

作り方
肉を焼いて、タレを入れる。以上で終了の簡単料理。

キャベツの千切りを添えたり、玉ねぎやナスを一緒に焼けば野菜もとれます。

参考
一番簡単★しょうが焼き(cookpad)


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佐藤優「国語ゼミ」より~教科書を利用した読解力養成~ [読解力をつけるにはどうすればいい?]

佐藤優氏の「国語ゼミ~AI時代を生き抜く集中講義~」から、教科書を利用した読解力養成についての学びです。

佐藤氏は、学びの基本となる力は「読む力」としたうえで、基礎編・応用編・実践編の3つに分けて、読解力養成法と実践問題を提示しています。

①基礎編
教科書を使った「読む力」をつけるための学習法を解説

②応用編
難解な本の読解に挑む

③実践編
市立武蔵高等学校中学校での講義を題材に「読む力」を「論理的思考力」や「判断力」へと発展させる道筋を具体的に提示

「教科書」を利用した「読解力の養成」は即実践にも活かせるのではないかと考え、読んでみました。以下に実践に活用するポイントを整理します。

①教科書を活用した三段階の学習方法
1.「要約と敷衍(ふえん)」
教科書を正確に読み解くために「音読」する。そのうえで教科書の指定箇所を自らの言葉で要約し、敷衍する訓練をする。
※筆者の定義
「要約」文章の中の重要な箇所を抽出してまとめる。
「敷衍」抽象的な概念や文章を、自分の言葉で噛み砕いてわかりやく説明すること。

まず「音読」で知識を定着させ、「要約と敷衍」で定着した事を自らの言葉で説明する。
2.「比較」
教科書の複数の記述を比較して、物事を複眼的に捉える訓練を行う。
3.「能動的読解」
自ら立てたてテーマや問題意識に即して、複数の教科書を能動的に読む訓練を行う。

②ワークブックの作成
佐藤氏は、大学などの講義で受講者に自学自習してもらうために、テキストに準拠した独自のワークブックをつくる事があるそうです。
(例)
【テキスト】もういちど読む山川倫理
【ワークブック】
・古代ギリシアにおけるロゴスについて説明しなさい(100字)*19~20ページ
・古代ギリシアの自然哲学について、代表的哲学者の名を4人あげて簡潔に説明しなさい(200字)*20~21ページ

上記のような記述問題を250問程度つくり、自学自習でといてもらって添削するという方法で、すべて解き終えれば、西洋思想や日本思想に関する基本知識の定着を目指しているそうです。

③比較で意識するのは「相違点」と「共通点」を明確にすること
比較する時のポイント
1.比較とは複数の事象を突き合わせってその異同を考察すること。
2.観点・項目を揃えて比較する

今日の学び
「教科書が読めない子どもたち」で指摘されているとおり、子どもたちの大半が、教科書を読んで理解するという学習が困難な状況だと感じています。噛み砕いて教えてあげるだけでは、生徒の読解力や学力の向上は難しく、いかにして、子どもたちが、自分で「教科書を読み解く力」を身につけさせるかが重要だと考えています。

教科書準拠のワークブック作成は、子ども達の読解力養成につながる可能性を感じました。「説明できるかを確認する問題」「比較できるかを確認する問題」などの問題設定をして、授業ないか、自宅課題として提示してみようと思います。

また、授業アンケートなど、能動的な問題意識を確認する手段はいくつかあるので、ここでキャッチした問題意識も授業に活かしていきます。

参考

国語ゼミ―AI時代を生き抜く集中講義 (NHK出版新書 554)

国語ゼミ―AI時代を生き抜く集中講義 (NHK出版新書 554)

  • 作者: 佐藤 優
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2018/06/07
  • メディア: 新書



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接続語を指定した5分間作文で論理的思考力を鍛える [読解力をつけるにはどうすればいい?]

毎回の授業終了時に実施している「5分間作文」。今日の「授業でできるようになった事」をテーマに実施している作文ですが、多くの生徒が5分間で200文字程度の作文を書けるようになっています。

この作文を利用して、生徒の理解を深め、論理的思考力を高めたい。そのためにはどうすればいいか?。ヒントとして、福嶋隆史氏の「本当の国語力」が驚くほど伸びる本」を参考にします。

福嶋氏は「国語力」とは「論理的思考力」であるとし、「論理的思考力」を構成する要素を、次の3つに分類しています。

①言いかえる力(具体抽象)
②くらべる力(対比)
③たどる力(因果関係)

著書では、これらの力をつけるための具体的な方法論が提示されていますが、5分間作文への応用として、3つの力をつけるための「接続語」の使用を指示していきます。

①「つまり」(具体→抽象)
②「例えば」(抽象→具体)
③「それに対して」(対比)
④「だから」(原因→結果)
⑤「なぜなら」(結果→原因)

作文に関しては、全講師がチェックし、授業内容を理解できているかどうかや、生徒の状態を確認しています。作文の内容と偏差値の相関は大きく、理解度の高い生徒は上記5つの接続語を無意識に使っています。

上記を意識化する事で、生徒の論理的思考力を鍛え、全科目の成績上昇につながる読解力を鍛えていきます。

参考

「本当の国語力」が驚くほど伸びる本―偏差値20アップは当たり前!

「本当の国語力」が驚くほど伸びる本―偏差値20アップは当たり前!

  • 作者: 福嶋 隆史
  • 出版社/メーカー: 大和出版
  • 発売日: 2009/07/01
  • メディア: 単行本



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火星大接近って何? [探究心の喚起]

2018年7月31日、火星と地球の間の距離は5,759万kmとなり、2003年以来15年ぶりに6000万kmよりも近い距離の接近になるそうです。太陽・地球・他の惑星が接近し、一直線に並ぶ事を会合といいますが、会合の時期に、最も距離が近くなる事を「最接近」。「最接近」の中でも特に距離が近い時を「大接近」というそうです。

なんで最接近の距離が違うの?
地球の公転周期は365日。火星の公転周期は687日のため、会合周期は約2年2ヶ月です。ただし、「最接近」時の距離は、年によって大きく異なります。
(最接近時の距離)
2016年 5月31日  7528万km
2018年 7月31日  5759万km
2020年10月 6日  6207万km
2025年 1月12日  8145万km
2027年 2月20日 1億142万km
2029年 3月29日  9682万km
2031年 5月12日  8278万km
2033年 7月 5日  6328万km
2035年 9月11日  5691万km

次の「大接近」は17年後の2035年の9月になるようです。なぜ、ここまで最接近時の距離が違うのでしょうか。

これは、地球が太陽を中心にほぼ円状に公転しているのに対し、火星が太陽の中心から少しずれた形で、かつ楕円軌道を描いている事が影響しているようです。そのため、火星が太陽に最も近づく時(近日点)と、会合周期がほぼ一致した時に「大接近」になるため、数年に1度の珍しい現象になるようです。

火星の明るさは、6月下旬から9月上旬まで、マイナス2等を超えて明るく見えるという事で、天体を指導する上では、探究心を喚起するきっかけになりそうです。

参考
・火星の接近(国立天文台)
・火星大接近2018(国立天文台)

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