読解力の強化が急務~「Ai vs 教科書が読めない子どもたち」より~ [読解力をつけるにはどうすればいい?]
私が主に指導しているのは数学と理科ですが、生徒の様子を見ると、明らかに数学、理科ではなくそれ以前に問題の意味を掴めずに間違っている場面が多く見受けられます。
また、教科書や解答解説を自分で読んで理解するという事ができていないのではないか?できないのではないか?と感じる場面も多々あります。
どうすれば、「生徒が問題の意味を正確に捉えられるようになるのか?」「どうすれば生徒が自分で教科書や解答解説を読み進められるようになるのか?」
このような問題意識を持っていたとき、新井紀子氏の著書「AI vs 教科書が読めない子どもたち」は、「やっぱりそうか」という思いと、数学・理科の指導と同等かそれ以上に「読解力をつける」指導が重要であるという認識を強く感じさせられました。
「読解力をつけるにはどうすればいい?」というテーマで継続的に追求していきますが、その土台として、新井氏の著書から現状の子ども達の状況を整理していきます。
全国2万5千人の読解力調査でわかったこと
・中学校を卒業する段階で、約3割が(内容理解を伴わない)表層的な読解もできない。
・学力中位の高校でも、半数以上が内容理解を要する読解はできない。
・進学率が100%の進学校でも、内容理解を要する読解問題の正答率は50%強程度である。
・読解能力値と進学できる高校の偏差値との相関は極めて高い。
・読解能力値は中学生の間は平均的には向上する。
・読解能力値は高校では向上していない。
・読解能力値と家庭の経済状況には負の相関関係がある。
・通塾の有無と読解能力値は無関係。
・読書の好き嫌い、科目の得意不得意、1日のスマートフォンの利用時間や学習時間などの自己申告結果と基礎的読解力には相関はない。
今日の学び
新井氏の提示しているデータによると、「通塾」「学習時間」「読書」など、一見読解力と相関がありそうなデータと読解力に相関が見られないというのは衝撃です。
また、このような相関が見られないにも関わらず、「読解力」と「偏差値」に極めて高い相関があるという事は、「読解力」は何よりも優先して鍛えなければいけないという事ではないかと思います(逆に言うと、読解力がなければいくら勉強時間を増やしても成績は頭打ちになってしまう)。
ただし、新井氏自身、読解力を養うための有効な方法論は今のところないとしています。
新井氏が立ち上げた「教育のための科学研究所」が実施しているRST「リーディングスキルテスト」を小学6年生~中学3年生の全生徒が受験している埼玉県戸田市では、読解力をつけるための指導方法に関する授業研究が盛んなようです。
こういった他の事例も参考にしながら、読解力を向上する指導の実践と追求を継続していきます。
参考
読解力が危ない(1)~問題文が理解できない(YOMIURI ONLINE)
RST
AI時代を生き残る術「教科書などの文章を読む力をまず身につけるべき」(ニュースイッチ)
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また、教科書や解答解説を自分で読んで理解するという事ができていないのではないか?できないのではないか?と感じる場面も多々あります。
どうすれば、「生徒が問題の意味を正確に捉えられるようになるのか?」「どうすれば生徒が自分で教科書や解答解説を読み進められるようになるのか?」
このような問題意識を持っていたとき、新井紀子氏の著書「AI vs 教科書が読めない子どもたち」は、「やっぱりそうか」という思いと、数学・理科の指導と同等かそれ以上に「読解力をつける」指導が重要であるという認識を強く感じさせられました。
「読解力をつけるにはどうすればいい?」というテーマで継続的に追求していきますが、その土台として、新井氏の著書から現状の子ども達の状況を整理していきます。
全国2万5千人の読解力調査でわかったこと
・中学校を卒業する段階で、約3割が(内容理解を伴わない)表層的な読解もできない。
・学力中位の高校でも、半数以上が内容理解を要する読解はできない。
・進学率が100%の進学校でも、内容理解を要する読解問題の正答率は50%強程度である。
・読解能力値と進学できる高校の偏差値との相関は極めて高い。
・読解能力値は中学生の間は平均的には向上する。
・読解能力値は高校では向上していない。
・読解能力値と家庭の経済状況には負の相関関係がある。
・通塾の有無と読解能力値は無関係。
・読書の好き嫌い、科目の得意不得意、1日のスマートフォンの利用時間や学習時間などの自己申告結果と基礎的読解力には相関はない。
今日の学び
新井氏の提示しているデータによると、「通塾」「学習時間」「読書」など、一見読解力と相関がありそうなデータと読解力に相関が見られないというのは衝撃です。
また、このような相関が見られないにも関わらず、「読解力」と「偏差値」に極めて高い相関があるという事は、「読解力」は何よりも優先して鍛えなければいけないという事ではないかと思います(逆に言うと、読解力がなければいくら勉強時間を増やしても成績は頭打ちになってしまう)。
ただし、新井氏自身、読解力を養うための有効な方法論は今のところないとしています。
新井氏が立ち上げた「教育のための科学研究所」が実施しているRST「リーディングスキルテスト」を小学6年生~中学3年生の全生徒が受験している埼玉県戸田市では、読解力をつけるための指導方法に関する授業研究が盛んなようです。
こういった他の事例も参考にしながら、読解力を向上する指導の実践と追求を継続していきます。
参考
読解力が危ない(1)~問題文が理解できない(YOMIURI ONLINE)
RST
AI時代を生き残る術「教科書などの文章を読む力をまず身につけるべき」(ニュースイッチ)
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5分間作文を進化させる「関連付け・疑問・感情」 [説明できるようにするにはどうすればいい?]
「説明できるようになる」事が、知識習得の最終ゴールという認識から、私の塾では授業後に「今日できるようになった事」についての5分間作文を実施しています。
5分間200文字の作文ですが、多くの生徒が具体的にその日の授業内容を整理できるようになってきました。
ここで記入している内容は「授業のポイント整理」または「授業の再現です」。これだけでも、学習内容の理解を深めるためには高い効果があると実感していますが、生徒の様子を見ると、この「5分間作文」はさらなる可能性を秘めているように感じました。
5分間200文字作文から300文字作文へ
毎回の5分間作文に慣れてくると、子ども達は5分間で精度の高い作文を書けるようになります。そこで、200文字作文を300文字に進化させる事にしました。
最初の200文字は従来通り「ポイント整理」または「授業の再現」。ここで求められるのは、「誰かに説明するつもりで、何も見ずに、具体的に書く事」。続く100文字で記入すべき内容として、以下のいずれかを選択するように指示しています。
①過去に学んだ内容と関連付けて文章化する
知識を定着させるためには、すでに学んだ事と結びつける事が効果的です。そこで、今日の授業のポイントと、かつて学んだ事を関連付けて言語化する事で、より長期の記憶に残す事を意図しています。
②「何で?」と思ったことを記入する
最も成果に繋がる学びは、能動的な学び。能動的な学びのきっかけになるのが「なんで?」という疑問です。「何かを学ぶとは、新しい疑問を発見すること」。今日の授業のポイントから、新たな疑問が生じれば、それを記入してもらいます。疑問を明確に言語化することで、学習内容の定着と能動的な学習意欲を引き出す事を意図しています。
③感情を表現する
記憶と感情には密接な関係があります。感情を伴った記憶は長期記憶に残りやすい。そこで、「今日の授業のポイント」から生じた感情を記入してもらいます。驚きや感動、できるようになった充実感など、知識と感情をセットで記入する事で、知識の定着を促します。
前半200文字の「授業内容の言語化」が最優先ですが、記入スピードが上がってきた生徒に対しては「関連付け・疑問・感情」の3要素をプラスして、理解と定着を深めていきます。
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5分間200文字の作文ですが、多くの生徒が具体的にその日の授業内容を整理できるようになってきました。
ここで記入している内容は「授業のポイント整理」または「授業の再現です」。これだけでも、学習内容の理解を深めるためには高い効果があると実感していますが、生徒の様子を見ると、この「5分間作文」はさらなる可能性を秘めているように感じました。
5分間200文字作文から300文字作文へ
毎回の5分間作文に慣れてくると、子ども達は5分間で精度の高い作文を書けるようになります。そこで、200文字作文を300文字に進化させる事にしました。
最初の200文字は従来通り「ポイント整理」または「授業の再現」。ここで求められるのは、「誰かに説明するつもりで、何も見ずに、具体的に書く事」。続く100文字で記入すべき内容として、以下のいずれかを選択するように指示しています。
①過去に学んだ内容と関連付けて文章化する
知識を定着させるためには、すでに学んだ事と結びつける事が効果的です。そこで、今日の授業のポイントと、かつて学んだ事を関連付けて言語化する事で、より長期の記憶に残す事を意図しています。
②「何で?」と思ったことを記入する
最も成果に繋がる学びは、能動的な学び。能動的な学びのきっかけになるのが「なんで?」という疑問です。「何かを学ぶとは、新しい疑問を発見すること」。今日の授業のポイントから、新たな疑問が生じれば、それを記入してもらいます。疑問を明確に言語化することで、学習内容の定着と能動的な学習意欲を引き出す事を意図しています。
③感情を表現する
記憶と感情には密接な関係があります。感情を伴った記憶は長期記憶に残りやすい。そこで、「今日の授業のポイント」から生じた感情を記入してもらいます。驚きや感動、できるようになった充実感など、知識と感情をセットで記入する事で、知識の定着を促します。
前半200文字の「授業内容の言語化」が最優先ですが、記入スピードが上がってきた生徒に対しては「関連付け・疑問・感情」の3要素をプラスして、理解と定着を深めていきます。
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