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フィンランドの教育②~エンゲストローム「拡張する学習理論」~ [海外教育事例]

フィンランド教育の理論的ベースに、エンゲストロームの「拡張する学習理論」という理論があるようです。引き続き、岡田尊司氏の著書をもとに紹介していきます。

①ジャン・ピアジュの「個人的構成主義」
・ピアジュ(スイスの発達心理学者)
・学習が受動的に知識を与えられるものではなく、能動的な体験の中で、自分の中で構成されるものであるという考えを確立。
・学習の個人的な側面や認知的な側面に重きを置いているため、「個人的構成主義」「認知的構成主義」と呼ばれる。

②グループ学習のバックボーンはレフ・ヴィゴツキーの「社会的構成主義」
・ヴィゴツキー(ロシアの発達心理学者/学習の社会的な側面を強調)
・子ども達の精神的発達が社会的なかかわりを通して起こることに注目。
・知能を個人的な能力ととらえるのではなく、人と関わる中で発達するものととらえた。
⇒共同で学ぶことを重視。教えあったり、真似たりしながら学ぶことが本来の学習だと考えた。(しかも、グループは違ったレベルの子どもを集めたほうがうまく機能する事にも気づいた)
・社会的な目的のために、知識や情報を収集し、それを自分なりに構成して、社会に発信することが学習
⇒学習には実践的な目的があり、主体的な営みがあり、他人との相互的な関わりがある。
(企業や研究室での実際の活動にも通じる)

③エンゲストローム「拡張する学習」
・エンゲストローム(フィンランドの教育学者)
・ヴィゴツキーの社会的構成主義に修正を加え、「拡張する学習」という教育理論として定着。
・知識は単なる受け入れではなく、主体的に発見し、創造するものであり、子どもに与えるべき決まった知識などない。
※拡張的学習サイクル(浜村拓夫の世界より)
「なぜ」という日常における疑問を出発点として,実践へと転換し,反省するという過程を繰り返しながら集団的に拡張し,「学び合い」「育ちあう」ことで,最終的に具体的な新しい実践を生み出していくというもの。

実践的な学習/グループ学習/アクティブラーニングなど、教科学習や知識の一斉伝達授業に代わる新たな試みは、今後数多く取り入れられていくと思います。私自身も理論勉強と実践を通じ、拡張する学習者として学んでいきたいと思います。

【参考】
子どもが自立できる教育

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  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2013/03/11
  • メディア: Kindle版


浜村拓夫の世界

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