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ADHDの生徒がいるクラスの授業運営 [指導技術]

ペアレント・トレーニングをもとにした家庭で声かけを続ける中で、声を荒げる事なく指示を受け入れる場面が増えてきました。

ただし、学校の授業内での行動改善は家庭以上に難しいと感じています。家庭では「待つ」事ができますが、学校の指導場面では「待つ」事が難しく、褒めるタイミングを見逃さないのも家庭以上に難易度が高い。

学校との連携で、現在毎日学校に行っていますが、やはり家庭とは異なる難しさを感じます。ADHDの生徒がいるクラス運営の注意点を確認し、より学校との連携を強化していきたいと考えています。

横山浩之氏の著書「ADHD/LD指導の基礎基本」から、指導技術を学びます。

①心理療法の原則
1.子どもからの信頼と尊敬を取り戻す
2.信頼と尊敬を取り戻したら、少しずつ、焦らずに、社会のルールを教え込む
3.教師が、子どもの試行錯誤に肯定的に対応し、考える習慣を身につけさせ、自立を目指す

②なによりも大切なのは学級運営(学級経営)
ADHDの子は特別怒られるのも、特別ひいきにされるのも嫌。個別的な配慮に手を出すのは学級運営がうまくいってから。

学級運営は「集団統率を優先させる」時期と「自立を促す」時期に分ける。
(例)集団統率を優先させる時期
1、してほしい三つの行動を伝え、その確認を一週間行う。
・何をやってほしいか明確に伝えているので、褒められたときに馬鹿にされた感じにならない。
・やってほしい事を褒める形でチェックする。
2.叱る基準を伝え、集団の中で叱る
3.小さな変化を観察し、集団の中で褒め、信頼を築く
4.国語、算数の授業で学力をつける
5.その子の味方になる

みんなの前で褒められる経験をいっぱいさせる事で行動をよくしていく。これこそ信頼と尊敬を取り戻すこと。

③少しずつ社会のルールを教える
ADHDの世界的な権威者バークレー博士の12の大切な原則
1.重要な情報を明確に示す
2.時間の遅れをなくす、あるいは減らす
3.時間を明確に示す(タイマーの使用)
4.動機付けを明確にする(誰もが満足できるように)
5.すぐ、その場で、頻繁に、的確なフィードバック
6.計画を最初に(未来を現在にひっぱる)
※計画をの立て方を教えるとは「計画を示す」それだけでいい。計画を立てて実行すると、実際にいい経験ができることを経験させる方が先。
7.否定的な考え方ではなくて、肯定的な考え方を
8.説明するより、行動で示す(手を差し伸べる)
9.常に障害を見据える
10.その瞬間を大事にする(一期一会を大切に)
11.許すことを覚える(子どもを、周りを、自分を)
12.(ありのまま)を受容する

④授業内の配慮
・言葉を削り、指示の意味を明確にし、さらに、指示通りできたことを確認する。
・指示・発問は短く限定して述べる
・空白の時間を作らず、テンポよく
・授業をたくさんの小さなパーツで構成する
・指導の途中で何度か達成できているかどうか確認し、達成できたことを喜び、励まし続けなければならない
・頻繁で的確なフィードバック
・スモールステップで教える
※スモールステップは易から難という事ではなく、論理性を持ってどういう概念を理解させればよりかというその段階・段階をという意味。わかるところは相手にしなくていい。わからないところを相手にする。

今日の学び
ADHDの子どもへの対応という視点で学んでいるが、全生徒に対して、効果的な指導ができる先生がADHDの子どもへも対応できるという印象。再度「好ましい行動」「好ましくない行動」を分け、指導技術を磨いていかなければいけないと感じました。

参考

ADHD/LD指導の基礎基本―知って欲しい・出来て欲しい50の原則

ADHD/LD指導の基礎基本―知って欲しい・出来て欲しい50の原則

  • 作者: 横山 浩之
  • 出版社/メーカー: 明治図書出版
  • 発売日: 2004/10/01
  • メディア: 単行本



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