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「読解力」と「教科学力」「社会的実践力」「学びの基礎力」の相関関係 [読解力をつけるにはどうすればいい?]

新井紀子氏の著書「AI vs 教科書が読めない子どもたち」より、「偏差値上昇」と「読解力」には相関関係があるという情報をもとに、「読解力をつけるにはどうすればいい?」を継続的に追求していきます。

まずは、「読解力」と相関の高いデータを整理します。

少し古いデータになりますが、2006年のベネッセ教育研究所の調査によると、以下の相関が見て取れるようです。

①「読解力」と「教科学力」の相関
国語と読解力の相関係数は0.68
算数と読解力の相関係数は0.69
算数の中では、数量や図形についての表現・処理との相関が0.66と高い相関を示す
※相関係数(ー1≦r≦1)で1に近いほど相関関係が強い

国語だけでなく、算数の成績と「読解力」がほぼ同じ正の相関を示している。

②「読解力」と「学びの基礎力」の相関
学びの基礎力とは、「豊かな基礎体験」「学びに向かう力」「自ら学ぶ力」「学びを律する力」の4領域。この4領域の設問のうち、自己評価と「読解力」と相関が高い情報を整理すると、以下ののような生徒が「読解力」が高い。

「豊かな基礎体力」
1.家族や友人、教師との良好な信頼関係ができている。
「学びに向かう力」
2.知的好奇心や感性が豊かで、学習の楽しさや面白さを感じている。
3.学習の役立ぢや大切さを積極的に認めている。
4.物事をやり遂げた経験や喜びを味わっている。
「自ら学ぶ力」
5.繰り返しだけでなく、関連させて覚えるという方略も取り入れている。
6.学習の計画や目当てを持って取り組んでいる。
7.家庭での学習時間を確保し、宿題をきちんとやっている。
「学びを律する力」
8.分からにことはそのままにせず、分かるまで頑張っている。
9.学校の授業を大切にしている。

③「読解力」と「社会的実践力」の関係
社会的実践力とは「問題解決力」「社会参画力」「豊かな心」「自己成長力」の4領域。4領域に関する設問に対する自己評価と読解力、相関が高い情報を整理すると、以下のような生徒が読解力が高い。

「問題解決力」
1.筋道を立て、かつ、多角的に物事を考え、自分なりの意見を持っている。
2.調べたことや考えた事を適切な手段で表現している。
「社会参画力」
3.社会に関する関心が高く、自分なりの貢献のあり方を考えている。
「豊かな心」
4.自分に与えられた課題は、きちんと責任を持ってやり遂げている。
5.難しいことにも失敗を恐れずに挑戦する積極性を持っている。
6.自分と異なる意見も尊重し、協調しながら物事に取り組んでいる。
7.自分の誤りに気づいたときには素直に訂正する柔軟性がある。
「自己成長力」
8.自分の力を伸ばしたいという意思と目標を持っている。

今日の学び
上記の相関だけを見ると、「まぁそうだよね」というのが実感。こんな生徒なら、そりゃあ成績もいいし、読解力も高いでしょという感覚です。因果関係ではなく、あくまで相関関係なので、これだけでは実践に活かすのは難しいですが、読解力と相関関係が高い項目の把握は必須であると考えます。

参考
・「読解力」を育てる総合教育力の向上にむけて―学力向上のための基本調査2006より(ベネッセ教育総合研究所)
・読解力と教科学力との関係(ベネッセ教育研究所)

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